耳鳴りの原因となる外耳・中耳の病気

mimi

耳鳴りは、若い人から高齢者まで幅広い年齢層の人が悩まされる症状です。しかし、「耳鳴りを改善したい」と思って病院へ行っても、多くの場合は原因不明とされて適切な治療を受けることができません。

耳鳴りには多くの原因がありますが、ほとんどの耳鳴りには難聴が関係しています。音が聞き取りにくくなった状態を補うために、「音をよりしっかり聞き取ろう」と脳が頑張って活動した結果、そのことが耳鳴りとなって出現します。

そして、難聴によって耳鳴りが起こるときは、外耳から中耳までに問題がある場合と、内耳から脳までに原因があるケースの2つがあります。

これらのうち、外耳から中耳までに原因がある場合を「伝音障害」、内耳から脳に問題があるケースを「感音障害」といいます。病院に行っても原因不明とされる耳鳴りのほとんどは、感音障害が関係しています。

一方で伝音障害を引き起こしている場合には、適切な検査を行うことで原因を特定することができます。そして、正しい治療を受けると耳鳴りは解消されます。

そこで今回は、「伝音障害によって耳鳴りを引き起こす外耳・中耳の病気」について解説します。

耳鳴りの原因

多くの人が悩まされる耳鳴りには、ほとんどの場合に難聴が関係しています。そして、難聴を引き起こす原因としては、外耳から中耳までに起こる「伝音障害」と内耳から脳までに問題が生じる「感音障害」の2つがあります。

病院で原因不明とされる耳鳴りの多くは、感音障害が関係しています。いわゆる「老人性難聴」は、感音障害が原因で起こるものです。感音障害は病院で行われる一般的な検査では発見されないため、基本的には原因不明とされます。

一方で伝音障害は、病院の検査によって原因が見つかることが多いです。そこで、以下に伝音障害を引き起こす可能性がある4つの病気を記します。

耳垢塞栓(じこうそくせん)

耳垢塞栓とは、いわゆる耳垢(みみあか)が溜まることで耳穴を防いでしまい、耳が聞こえにくくなるものです。

耳垢は、耳の皮膚が剥がれたものや汗、外から入ってきたホコリなどによって形成されています。こうして作られた耳垢が大量に溜まると、外耳道を防ぎ耳垢塞栓になります。

耳垢塞栓の主な症状としては、音が聞こえにくくなったり、耳が詰まった感じがしたりします。また、耳の中で「ガサガサ」といったように、物が動くような音がするような場合もあります。

そして、耳垢塞栓は放置しておくと、外耳道に炎症が生じて鼓膜を圧迫して痛みを引き起こす可能性があります。

基本的には、耳垢を取り除くことで耳垢塞栓による症状は治まります。ただ、すでに炎症が起こっている場合には、炎症が治まるまでは痛みや耳鳴りが続くため、薬物療法による治療も平行して行われます。

中耳炎

中耳炎とは、その名の通り「中耳に炎症が生じる病気」です。中耳炎は、大きく分けて「急性中耳炎」「滲出性中耳炎」「慢性中耳炎」の3つに分類されます。

急性中耳炎とは、中耳に細菌やウイルスが入ることで炎症が起こり、膿(うみ)が溜まる病気です。急性中耳炎の場合、強い痛みや発熱などを伴うことが特徴です。

一方、滲出性(しんしゅつせい)中耳炎では、急性中耳炎で出現するような強い痛み、発熱を伴いません。そのため、病気の発見が遅れてしまいがちです。滲出性中耳炎とは、鼓膜の奥である中耳部分に、水(滲出液)が溜まってしまう病気です。

滲出性中耳炎では、溜まった水によって鼓膜がうまく働かなくなります。その結果、音が聞こえにくくなったり、耳が詰まった感じがしたりして耳鳴りが生じます。

そして、急性中耳炎の治療が上手くいかずに長引くと、慢性中耳炎となります。

慢性中耳炎は、大きく分けて「慢性化膿性中耳炎」と「真珠腫性(しんじゅしゅせい)中耳炎」の2つに分類されます。慢性可能性中耳炎の場合、治療は急性中耳炎と同じで抗生物質を投与することが基本です。

一方で真珠腫性中耳炎の場合、完治させるためには手術が必要になるケースがほとんどです。

耳管開放症

耳管開放症とは、耳管と呼ばれる耳と鼻をつなぐ管が開放されたままの状態となる病気です。耳管は、通常は閉じた状態になっていますが、ツバを飲み込んだりするときには、開いて鼓膜の外と内の圧力バランスを調整します。

耳管が開いたままになることで、耳が詰まった感じがしたり、耳鳴りが起こったりします。また、自分の声が響く「自声強調」と呼ばれる症状があることも、耳管開放症の特徴です。

耳管開放症は女性に多く発症します。特に睡眠不足や過剰なダイエットをしている女性に起こりやすいとされています。

耳管開放症には、決定的な治療法がありません。睡眠不足やダイエットが原因で起こった場合には、睡眠時間を確保したり、体重を戻したりすることで症状も改善しますが、多くの場合は治療に難渋することになります。

耳管狭窄症

耳管狭窄症は、鼻炎や疲労、老化などが原因で耳管が狭窄する病気です。耳管が狭窄することで、鼓膜内外の気圧調整ができずに、聞こえにくさや詰まり感などが出現します。

鼻炎が原因で耳管が狭窄している場合には、抗生物質の投与による治療が行われます。

以上に挙げた4つの病気がある場合には、伝音障害が起こり、その結果耳鳴りが出現する可能性があります。

今回述べたように、耳鳴りの多くには難聴が関係しています。また、難聴には伝音障害と感音障害の2つがあり、伝音障害の場合には、病院の検査によって原因がはっきりする可能性が高いです。

そして、伝音障害を引き起こす病気には「耳垢閉塞」「中耳炎」「耳管開放症」「耳管狭窄症」の4つがあることを知っておいてください。