良性発作性頭位めまい症(BPPV)が急増している原因

pasocon

日本において、めまいに悩まされている人はたくさんいます。そして、めまいというと「メニエール病が原因である」と考えている人は少なくありません。

しかし実際には、めまいの原因は半数以上が「良性発作性頭位めまい症(BPPV)」であることがわかっています。ただ医者の中にも、未だに「めまい=メニエール病」と認識している人もいます。

その結果、めまいに対して適切な診断や治療が行われずに、慢性的にめまいで悩まされている人が多くなっています。

良性発作性頭位めまい症(BPPV)の患者数は、昔と比較すると明らかに増えています。実際に、「原因不明とされていためまいの多くが、良性発作性頭位めまい症(BPPV)であることがわかった」ということが、良性発作性頭位めまい症と診断される人が急増している原因の1つとなっています。

ただ、良性発作性頭位めまい症(BPPV)の患者数が増加しているのは、そのことだけが要因ではありません。そして、その理由を学ぶことが、良性発作性頭位めまい症(BPPV)の予防や改善につながることになります。

そこで今回は、「良性発作性頭位めまい症(BPPV)が急増している原因」について解説します。

枕の変化

良性発作性頭位めまい症(BPPV)は、耳の奥にある平衡感覚を司る「内耳(ないじ)」にトラブルが生じることで起こる病気です。

具体的には、まず内耳の一部である「前庭器(ぜんていき)」の中にある「耳石(じせき)」と呼ばれるものが、同じく内耳の「三半規管」に入り込みます。これによって、三半規管の働きが妨げられるため、めまいが起こります。

そして、そうした三半規管内への耳石の移動は、低い枕を使用することで起こりやすくなります。

日本では、2000年になる辺りから「低反発の枕」が販売され始めました。低反発枕は、その人の首や形に合わせて枕の形状が変化するため、首の痛みや肩こりに有効だとして、そうした悩みを持つ人たちの間で流行しました。

さらに、低反発枕はブームとなって、首の痛みや肩こりを持たない人たちの間でも広がることになりました。

ただ低反発枕は、頭の重みで低く沈むため、寝ているときに常に頭が低い位置にある状態となります。こうした姿勢は、前庭器から三半規管へ耳石を移動させやすくなるため、結果的に良性発作性頭位めまい症(BPPV)を発症させることにつながります。

このように、低反発枕の流行は、良性発作性頭位めまい症(BPPV)の患者数が急増している1つの要因だと考えられます。

パソコンの普及

良性発作性頭位めまい症(BPPV)を引き起こす原因の1つに、同一姿勢保持と運動不足が挙げられます。

健康な状態であれば、三半規管内に耳石が入り込んでも、自然と耳石がリンパ液によって排泄されます。ただ、長時間同じ姿勢を取るような生活をしていたり、体をあまり動かさないでいたりすると、リンパ液の流れが滞ってしまうため、耳石が三半規管内に蓄積されやすくなります。

こうした理由から、同じ姿勢を保持することや運動不足は、良性発作性頭位めまい症(BPPV)の原因となります。

そして、2000年代になると、パソコンの普及が急激に進み、「主な仕事内容がパソコン作業」という職業が非常に多くなりました。また、自宅でもパソコンを使ってネットサーフィンやゲームを長時間行う人も増えました。

その結果、長時間同じ姿勢を取る人や運動不足となる人が増えたため、良性発作性頭位めまい症(BPPV)を発症する人が急増することになりました。

以前はめまいというと、高齢者に起こる症状として知られていました。しかし最近では、若い世代の人にも、めまいに悩まされている人が多くいます。それは、こうしたパソコンの普及による影響が大きいといえます。

このように、パソコンの普及による生活環境の変化は、良性発作性頭位めまい症(BPPV)の患者数が急増している1つの要因だと考えられます。

今回述べたように、良性発作性頭位めまい症(BPPV)の患者数が急増している背景には、「低反発枕の流行」や「パソコンの普及」といったような時代の変化があります。

そして、このように良性発作性頭位めまい症(BPPV)に悩む人が増えた原因を考えることで、自然と良性発作性頭位めまい症(BPPV)を予防・解消する方法が見えてきます。特に、今回述べた「枕の高さ」と「運動不足」は、良性発作性頭位めまい症(BPPV)の発症に大きく影響しているため、それらを意識して生活するようにしてください。

そうすることで、めまいに悩まされることが少なくなります。