脳過敏性症候群に対する治療:薬物療法

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片頭痛や緊張型頭痛は、慢性頭痛の原因としてよく知られている病気です。頭痛は、特に女性で悩まされている人が多く、中には痛みの強さに日常生活が制限されるような人もいます。

こうした片頭痛や緊張型頭痛は、基本的には病院を受診して薬物療法や物理療法、リハビリといった適切な治療を受けることで症状は改善します。

ただ、痛みを我慢して病院を受診しなかったり、適切な治療を受けることができなかったりすると、頭痛はさらに慢性化します。そして、「脳過敏性症候群」という状態になると、さらに病態は複雑化してしまうため、治療に難渋することが少なくありません。

このような脳過敏性症候群の状態にならないためにも、片頭痛や緊張型頭痛に対しての適切な対処方法を知っておくことが大切です。

また、脳過敏性症候群についてもしっかりと学んでおくことで、適切な予防や治療を行うことができるようになります。

そこで今回は、「脳過敏性症候群に対する治療」について解説します。

治療の基本は薬物療法

脳過敏性症候群は、片頭痛が慢性化することで発症しやすくなる病気です。

片頭痛は、発症しても適切な診断と治療を受けることで、ほとんどのケースで問題を解消することができます。ただ、病院を受診せずに痛みを我慢したり、誤った治療を行ったりすると、片頭痛は治りません。

そして、そうした不適切な対応は、片頭痛の症状を慢性化させるだけでなく「脳過敏性症候群」の状態を招く原因になります。

脳過敏性症候群とは、片頭痛に対して適切な治療を行わなかったことによって、脳が過剰に興奮してしまっている状態です。そのため、わずかな刺激で脳が興奮してしまい、頭痛やめまい、不眠といったようなさまざまな症状が出現します。

このように脳過敏性症候群は、「脳が興奮している状態」が問題であるため、脳を落ち着かせるための薬による治療が基本になります。

ただ、脳過敏性症候群の人は、脳過敏性症候群による症状と、本来の片頭痛による頭痛のどちらも出現する可能性があることに注意しなければいけません。そして、それぞれに対する薬剤は異なるため、症状によって使い分ける必要があります。

どちらにしても、脳過敏性症候群に対する治療の基本は薬物療法です。脳過敏性症候群に対しては、薬によって脳の興奮を抑えることが欠かせません。

脳過敏性症候群に用いられる薬剤

脳過敏性症候群の治療は、脳の興奮を抑える薬の処方が基本になります。具体的には、「抗てんかん薬」「抗うつ薬・SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)」の2つが利用されます。

そして、それぞれの薬剤には以下のような特徴があります。

抗てんかん薬

抗てんかん薬には、脳の興奮を全体的に抑える役割があります。そのため、脳波検査によって出てくる波形の形は変わりませんが、全体的に波形の縦幅が小さくなります。その結果、脳過敏性症候群の症状が出現するレベルまでの興奮が起こることを防げるようになります。

ただ抗てんかん薬には、眠気やふらつき、吐き気などの副作用があるため注意してください。

抗てんかん薬の製品名には、以下のようなものがあります。

・デパケン、セレニカ

・テグレトール

・リボトリール

・トピナ

抗うつ薬・SSRI(選択的セロトニン再取り込み薬)

抗うつ薬には、脳の興奮を抑えるのではなく、症状が出現するレベルを高める作用があります。つまり、脳の興奮度合いは変わりませんが、ある程度まで脳の興奮が高まっても頭痛などの不調が出ないようになります。

例えば、皮膚を針で刺すと、通常ではちょっと針先が当たるだけでも痛みが出ます。

ただ、氷を一定時間当てて皮膚を麻痺させた後であれば、何もしていないときより痛みを感じにくくなります。これは、氷によって皮膚が痛みと認識するレベルが高まったために起こるものです。

抗うつ薬も同様で、脳が刺激と認識できるレベルを高くすることで、脳の興奮度合いが変わらなくても、症状を出現しにくくします。

そして、抗うつ薬の商品名には、以下のようなものがあります。

・トリプタノール

・パキシル

・ジェイゾロソフト

今回述べたように、脳過敏性症候群に対する治療は、薬物療法が主になります。そして薬物療法では、抗てんかん薬などで脳の興奮を抑えるか、もしくは抗うつ薬などで脳が刺激を感じるレベルを高くする(刺激を感じにくくする)という2つの方法があります。

このように、脳過敏性症候群に対する治療を知ることで、慢性頭痛に対する理解をより深めることができます。