片頭痛に対する薬物療法:トリプタン製剤

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片頭痛は、一般的にも知られており、多くの人が悩まされている病気の1つです。また片頭痛は、頭痛の中でも特に女性に多く、片頭痛患者全体の80パーセント以上は女の人です。

そして、片頭痛持ちの人には、頭痛が生じてもそのまま症状を放置する人が少なくありません。さらにいうと、あまりにも片頭痛が一般的になりすぎて、「片頭痛は誰でも持っているもの」「病院に行くまでもない」と考えている人が多くいます。

しかし実際には、片頭痛を放っておくと、最終的に「過敏性症候群」と呼ばれる状態になります。そして、症状が複雑化して非常に治りにくくなります。

そうしたことを避けるためにも、片頭痛が生じた場合には、早期に適切な診断と治療を受けることが大切です。そうすることで、症状が複雑化する前に、問題を解消することができます。

そこで今回は、「片頭痛に対する治療法」について解説します。

片頭痛治療の基本は生活習慣指導

片頭痛は、ストレスや生活習慣の乱れによって、脳内にある血管が過剰に広がることが原因で痛みが出ます。そのため、片頭痛治療の基本はストレスコントロールや、睡眠、食事、運動といった生活習慣指導になります。

ただ、片頭痛持ちの人の多くは、脳が過剰に興奮している状態になっています。片頭痛の人が、光や音、ニオイに対して敏感に反応するのには、こうした脳の興奮が関係しています。

そして、脳が興奮していると、いくらストレスコントロール方法や生活習慣を指導して実践しても、頭痛などの不調は残ります。

その結果、最終的には「脳過敏性症候群」と呼ばれる状態になり、頭痛だけでなくさまざまな不調が出現することになります。脳過敏性症候群とは、その名の通り、脳が興奮して過敏になっていることを指します。そのため、通常では痛みと感じないようなわずかな刺激でも、頭痛を引き起こしてしまいます。

こうした脳過敏性症候群になると、症状が複雑化することも関係してとても治療に難渋します。

そのため、片頭痛に対して治療を行う場合には、ストレスコントロールや生活習慣の指導に加えて、脳の興奮状態に対する対処を行うことが大切になります。

そして、脳の興奮状態を抑えるためには、「トリプタン製剤」と呼ばれる薬を使った薬物療法が効果的です。トリプタン製剤とは、脳の興奮を抑える作用がある薬剤であり、痛みが出始めたときに服用することで、脳の興奮を抑制して頭痛などを軽減させます。

このように、脳に過剰な興奮が起こるごとにトリプタン製剤で抑制することで、脳過敏性症候群へ進行することを防げます。

以上のように、片頭痛に対する基本的な治療は、ストレスコントロールと生活習慣の指導になります。ただ、片頭痛持ちの人の多くは、脳の強い興奮が起こっているため、薬物療法によって脳の過剰な活動を抑えることも平行して行わなければいけません。

予防薬の使用も検討

片頭痛の治療では、ストレスコントロールと生活習慣指導に加えて、脳の過剰な興奮を抑えるための薬物療法を行います。ただ、片頭痛持ちの人の中でも、毎日のように頭痛が頻発する人や、痛みが強すぎて寝込んでしまうような人の場合、他の対処を考慮しなければいけません。

そうした場合に有効な治療法が、「予防薬」の服用です。

トリプタン製剤などは、痛みが出始めてから飲むことで、症状を抑える作用があります。しかし、あまりに症状が頻回に生じたり、強すぎたりする人の場合、発作が起こってからでは対処が間に合わなくなります。また、そうしたことを繰り返すことで、どんどん薬の量が増えてしまいます。

そうしたことを避けるためには、症状が出ていない時でも予防薬を服用することが有効です。片頭痛の発作が出る前に症状を抑えることで、症状は徐々に軽減していきます。

具体的には、以下のような症状が認められる場合には、予防薬の使用を考慮すべきだといえます。

・片頭痛が月4回以上起こる

・頻回に頭痛が起こり、日常生活に支障が出ている

・痛みに対して恐怖感や不安感を持っている

こうした人は、トリプタン製剤などの頓服薬に加えて、予防薬を使用することが有効な場合が多いです。

今回述べたように、片頭痛治療の基本は、ストレスコントロールや生活習慣指導になります。ただ片頭痛の場合には、脳の過剰な興奮を抑えたり、発作を予防したりする薬剤を併用した方が、効率的に症状を改善できることが少なくありません。

このように、さまざまな治療法を併用することで、効果的な治療を行うことができるようになります。