女性に片頭痛が多い理由:エストロゲンと頭痛の関係性

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片頭痛は、女性に多い頭痛として知られています。男性でも片頭痛持ちの人はいますが、片頭痛で悩まされているのは、圧倒的に男性より女性が多いです。

そして片頭痛が女性に多いのには、女性ホルモンである「エストロゲン」が関係しています。月経周期に伴って起こるホルモンバランスの変化が、女性の片頭痛を引き起こす大きな原因になっています。

女性の片頭痛における約60パーセントの人は、こうしたホルモンバランスの問題が原因であることが明らかになっています。

そのため、片頭痛を理解するためには、エストロゲンの影響による片頭痛について学ぶことが大切です。

そこで今回は、「女性に片頭痛が多い理由」について解説します。

エストロゲンとプロゲステロン

女性ホルモンの影響による片頭痛を理解するためには、女性ホルモンについて学ぶ必要があります。

女性ホルモンは、主に「エストロゲン」と「プロゲステロン」という2つのホルモンに分けられます。そして、この2つのホルモンがバランスを取りながら分泌されることで、約28日の月経周期が作られます。

具体的には、「卵胞期」と呼ばれる月経周期の初めにはエストロゲンが多く分泌されます。そしてその後、妊娠可能な時期である「排卵期」となります。排卵後は、「黄体期」というプロゲステロンが優位に放出される期間になり、受精着床の準備が行われます。

この黄体期に妊娠していない場合には、エストロゲンとプロゲステロンの分泌量が共に減って「月経」が起こります。

このように女性の体内では、2つの女性ホルモンが交互に作用することで月経周期が作られています。月経周期は、妊娠するために欠かせないものです。ただ、こうしたホルモン変動が片頭痛を引き起こす原因になることがあります。

エストロゲン性の片頭痛の特徴

女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンは、1ヶ月の間にバランスを取りながら分泌されます。そして、そうした2つのホルモンの変動によって、約28日の月経周期が作られます。

また、エストロゲンとプロゲステロンは、共に血管の運動に関係しています。具体的には、エストロゲンが血管を収縮させ、プロゲステロンは拡張します。

そして、月経周期において、大きなホルモンバランスの変動が「排卵後の黄体期」と「黄体期の後」の約2回起こります。特に、黄体期の後に起こるエストロゲンの減少による「プロゲステロンの優位状態」というホルモン変化が血管の拡張を引き起こし、片頭痛の発症につながります。

こうした、女性ホルモンの変動によって引き起こされる片頭痛を「エストロゲン性の片頭痛」といいます。

具体的には、エストロゲン性の片頭痛は、月経前2日から月経開始後3日にかけての約6日間に強く起こります。そして、その期間を過ぎると、頭痛は落ち着きます。

このようにエストロゲン性の片頭痛には、「生理周期に伴って疼痛が大きく変化する」という特徴があります。またその他にも、エストロゲン性の片頭痛の人には、「妊娠すると頭痛が落ち着く」という現象が起こります。

妊娠中は、胎児を保護するために、女性ホルモンが多く分泌されています。そのため、ホルモン変動が少なく、血管の収縮・拡張という変化も小さくなります。そのため、片頭痛が起こらなくなります。ただ、出産後はホルモンバランスが崩れやすいため、片頭痛が強くなる傾向にあります。

また、閉経後は逆にホルモン分泌が少ない状態で安定しているため、エストロゲン性の頭痛は起こりにくいといえます。

そうはいっても、この時期は「更年期」という体内の変化に加えて、親の介護や夫の退職、孫の誕生など、大きな環境の変化が起こる人が少なくありません。そうしたことが負担となると、ホルモンバランスが崩れるだけでなく、ストレスによる血管の収縮・拡張が強調されるため、片頭痛が強くなる人もいます。

以下に、エストロゲン性の片頭痛の特徴をまとめます。

・月経前2日から、月経後3日までの間に頭痛が出現する

・妊娠すると頭痛が治まる

・出産後は頭痛が強くなる

・閉経後は頭痛が落ち着く

頭痛持ちの人で、こうした特徴がある場合には、エストロゲン性の片頭痛を疑うことが大切です。

今回述べたように、片頭痛は女性に起こりやすい傾向にあります。その原因の1つに、女性ホルモンの変動がきっかけとなって起こる「エストロゲン性の片頭痛」が挙げられます。

こうしたエストロゲン性の片頭痛は、あまり認識されていません。そのため、特に女性で頭痛に悩まされている人は、このようにホルモンバランスの変動によって起こる片頭痛があるということを知っておいてください。