子供の片頭痛につながる病気:嘔吐、腹痛、めまい

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日本において、片頭痛という病気を知らない人はほとんどいません。片頭痛は、成人の女性に多い病気です。そして一般的には、片頭痛は成人に発症すると認識されています。

しかし実際には、片頭痛は成人だけでなく子供にも起こる病気です。具体的には、子供の10人に1人は片頭痛を持っているといわれています。

そして、子供の片頭痛は、いくつかの病気がきっかけになっていることが少なくありません。そのため、そうした片頭痛へ移行しやすい病気を知っておくことで、子供の片頭痛をより早期に発見することができるようになります。

そこで今回は、「子供の片頭痛につながる病気」について解説します。

片頭痛へ移行する3つの病気

子供が片頭痛を引き起こす際には、片頭痛のきっかけとなる病気を発症していることが少なくありません。片頭痛を持っている子供の多くは、ある病気にかかった後に片頭痛を訴えるようになります。

具体的には、「自家中毒(周期性嘔吐症)」「腹部片頭痛」「小児良性発作性めまい症」の3つは、片頭痛へ移行しやすい病気です。

●自家中毒(周期性嘔吐症)

周期性嘔吐症とは、その名の通り、嘔吐(おうと)を繰り返す病気です。周期性嘔吐症は、ストレスや風邪などの感染症によって食欲不振、睡眠不足が起こり、そのことがきっかけとなって発症します。

自家中毒は、嘔吐や腹痛が主な症状であり、5歳以上の約2パーセントの子供に発症するとされています。ただ、ほとんどのケースでは10歳までに改善します。

また、周期性嘔吐症の嘔吐や腹痛を生じさせるのは、成人の片頭痛の原因とされる「セロトニン」という物質であるとされています。セロトニンは、腸に作用することで嘔吐や腹痛を誘発し、脳で働くと片頭痛を引き起こします。

そして、周期性嘔吐症には以下の4つの特徴があります。

・嘔吐や腹痛

・夜間や早朝に突然起こる(発作がないときには全く症状がない)

・ストレスが強くなると症状が起こる

・両親が片頭痛持ちであることが多く、本人も成人後に片頭痛を発症しやすい

子供に、こうした特徴がみられる場合には、周期性嘔吐症を疑うようにしてください。

●腹部片頭痛

腹部片頭痛とは、生活に支障が出るほどの強い痛みが生じる病気です。片頭痛に伴って、腹痛や食欲不振、嘔吐、顔面蒼白などが起こります。

腹部片頭痛も、周期性嘔吐症と同様に、セロトニンの影響によって起こる頭痛です。成人ではセロトニンが脳へ作用するのに対して、子供は腸に影響しやすいため、頭痛より腹痛が目立ちます。

そのため、腹部片頭痛では、腹痛の症状で病院を受診する人がほとんどです。

●小児良性発作性めまい症

良性発作性めまいは、成人に起こるめまいの中でも、最も多いとされているのです。それが、子供に生じた場合に、「小児良性発作性めまい症」といいます。

小児良性発作性めまい症は、前兆がなく急に目の前がグルグル回るような「回転性のめまい」が起こることが特徴です。症状は長くは続かず、大半は数分から数時間以内に収まります。

めまいだけの場合もありますが、めまい伴って、心臓の拍動に合わせた片頭痛が生じることも少なくありません。そして、症状の特徴として、寝返ったり起き上がったりして頭の位置が変わるときにめまいと頭痛が強くなります。

小児良性発作性めまい症は、発症すると学校を休むことにつながります。また、学校へ行っても、保健室でずっと休んでおかなければいけないようになるケースも少なくありません。

このように、小児良性発作性めまい症は、片頭痛の発症につながるだけでなく、学校生活に支障をきたす原因になります。実際に、小児良性発作性めまい症がきっかけとなって不登校になるケースもあります。

ただ、耳鼻科ではあまり知られていない病気であるため、耳鼻科を受診しても、適切な診断と治療を受けることができないことも少なくありません。そのため、保護者や教師が小児良性発作性めまい症の特徴を理解しておき、早期に発見することが大切です。

そして、小児良性発作性めまい症が疑われる場合には、耳鼻科ではなく頭痛専門医を受診するようにしてください。

今回述べたように、片頭痛は大人だけでなく、子供にも発症する病気です。そして、「自家中毒(周期性嘔吐症)」と「腹部片頭痛」「小児良性発作性めまい症」の3つは、子供の片頭痛を引き起こすきっかけになる病気です。

そのため、保護者や教師は、こうした3つの病気における特徴を理解しておくことが大切です。そうすることで、早期に病気を発見して、片頭痛への移行を防ぐことができるようになります。